NHKのこの2つの番組に異議あり!

会員の主張・小論
岩手県本部 会員の主張・小論  令和3年11月21日

NHKのこの2つの番組に異議あり!

K・C


NHKは「公共放送」として広告主に苦労している他の民放と違って、国も関与し特別扱いされている、最も影響力を持ったメディアである。
私もTVの70%とはNHKであり、NHKウオッチャー、相当のキャリアである。
しかし、令和3年11月に放映された次の2番組は見ていて、すごく腹が立った。皆さんも一度考えてみてください。

1つは、11月3日の放送の「幸せなら手をたたこう、名曲の知られざる物語」である。この曲は、世界に広がった名曲であるから、このタイトルからは良いイメージを持つ方が多いと思う。番組によるとこの曲の誕生はフィリピンの子供たちの唄を聴いたことがきっかけという。戦後のフィリピンには、未だ、日本に恨みを持っている人が多かったという。そこになぜか、元反日ゲリラの男性が出て来る。NHKの職員の〝なぜあなたは反日ゲリラになったのですか?″の問いに彼は〝日本兵に往復ビンタをされた。それとフィリピンの女性が7人の日本兵に集団暴行を受けているのを見て、怒り、反日ゲリラになった”としっかりした映像とともに発言したのである。私はこんな内容を見て、仰天してしまった。なぜ、こんな場面が出て来るのかということである。

日本軍は規律の維持のために〝往復ビンタ″は良くやったからあり得るかも知れない。しかし〝現地の女性への集団暴行″はあったとすれば立派な犯罪である。しかし、日本軍は世界の軍の中でも、ソ連、中国と違って極めて軍律が厳しかった。日本軍中枢に知られれば厳しく処断されたはずである。その処断記録は現実に残っている。しかし、NHKに、その補足のコメントは全くない。この番組では日本兵の多くがそうであったとさえ思わせる映像であった。
私の近親者にもフィリピンからマラリアで重症となり、半死半生になって帰って来た人もいる。日本にはそういう人は結構多かった。この場面は日本のために命をかけて戦った先輩を誹謗する内容そのものである。

もう1つは11月8日の「感染症に(たお)れた日本軍兵士」(BS1スペシャル)である。場面はインドネシアである。
内容は、日本軍の多くの兵士が〝破傷風″にかかり死んでいった。それに困った軍は、現地の研究所にワクチン開発を委ねたがその開発に失敗したとのこと。
ワクチンの有効性の確認のために現地の労務者に実験したが、それが原因で数百人の犠牲者が出てしまった。軍はその原因を現地の研究所にあるとして、責任者を責め処刑にしたとのこと。日本軍は、自らの失敗の責任を隠し研究所に押し付けたーとの内容である。番組の最後に、アメリカ人の日本への激しい批判で終わっている。

この2つの番組を見てすごい違和感を持ったのは次の点である。
1つは11月3日と11月8日の番組2つともタイトルと内容が相当違うのである。なぜ、このタイトルにこの内容なのか。
日本政府は、1951年9月サンフランシスコ条約により、フィリピンに賠償金を支払っている。両国は禍を乗り越えて、今やフィリピンは日本の友好国である。11月3日の番組ではなぜかこのことについて、全く触れない。賠償金とは諸々の惨事への償い金の事である。

もう1つの11月8日の番組では感染症研究所のアメリカ人の日本への激しい非難の発言で終わっているが、アメリカ人に日本を批判する資格はあるのだろうか?アメリカは計画的に大量破壊兵器で女、子供、老人等一般人、20万人の日本人を大量虐殺したのではないか。またこの番組でも戦後の賠償金を支払っている事実には充分に触れていない。そして番組にはなぜか「朝日新聞社」から2人が関わっているのも違和感がある。

かつて日本軍は敗戦しても、こっそりと日本軍の武器弾薬をオランダではなくインドネシアに渡し、約2,000人の日本兵がインドネシアに残り、再び戻ってきたオランダ軍と現地のインドネシアの方々とともに独立戦争を戦った。そして、オランダによる300年を超える植民地支配が終わったのである。またこれで再び多くの日本兵も死んだ。これらのことについてNHKは全く触れていないし、今までも日本兵の貢献に関する番組を作ったこともないのではないか。しかし事実を知っているインドネシアは、今や大変な親日の国の1つである。

私はNHK嫌いではない。日本を支える良きメディアと考えている。しかしNHKの近現代の番組の中には重要な事実を削除し、偏った編集としか思えないものが度々あるのも事実である。なぜそうなのか、近現代史の個人的研究している者として長く抱いている疑問の1つである。
NHKには「番組審議会」もあるはずである。本当に正しく機能しているのであろうか。それともNHKに都合の良い人の集団になってしまっているのか。国に守られているメディアが、国を誹謗する一方的に偏った番組を作ってよいはずはない。
「NHKのアーカイブ」では、希望すればこの2つの番組は再度見られるはずである。一度考えてみてほしい。

K・C   

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