緊急事態における国民の生命財産の保全と祖国防衛のために

会員の主張・小論
岩手県本部 会員の主張・小論  令和3年11月25日

緊急事態における国民の生命財産の保全と祖国防衛のために

S・Y


世界中を混乱に陥れた武漢コロナはわが日本でも政府、地方公共団体、医療関係者等の奮闘努力にもかかわらず、新たなインドデルタ株による感染急拡大などにより悪化の一途をたどりながらもやっと緊急事態宣言を解除できるまでに回復し現在に至っている。

こういった経緯をたどった原因の一つは、我が国製薬会社ワクチンが間に合わず米国のファイザー社等のワクチンを分けてもらったが全国民分には足らず当初医療従事者や高齢者などに優先接種したので、肝心の社会の中心となって活動している、いわば感染媒介の可能性の大きい中若年層に殆ど処置されていなかったことが原因ではないのか。

しかし、何よりも量要なことはコロナに感染しないことである。そのため感染が拡大しつつある時には、政府は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などの対策を講じ感染防止のための自粛を求めているが、これらの措置には他国と異なり強制力がなく違反しても罰則もない要請、いわば単なるお願いであるため、何ら対処しなくても何のお咎めもなく、一方では被害を受ける関係業者等にとってはその経営に直接影響する上、今年は東京オリンピックやパラリンピックもあったせいか対処を求めるには一層難しい環境であったので感染は著しい拡大となってしまった。

どんな状況でも国民の全てが正しく自粛すればこれ程の感染拡大にはならなかったろうが、他国民と比較し清潔感や衛生環境も優れているといわれる日本でさえも、現代のような極端で異常ともいえる“私優先の社会 風潮下”では国民に徹底的自粛を求めることはかなり難しい。

結局は、他国並みに強制力や罰則を伴う緊急事態宣言等の“法制化”が必要であり、その前提として憲法改正による“緊急事態条項を設定”するのが我が国としても必要であり、ごく自然のことと言える。

このことは、今回のコロナ問題ばかりでなく、東日本大震災や大型台風等の大自然災害の際、国民の大切な命や財産等を守るため、緊急対策に現実に従事した関係者の多くが言っているように迅速かつ適切な対応の実現のためには、どうにも緊急事態条項の設置が必要である。

さらに重要なことは、他国からの侵略の危機にさらされ、国民が一体となって祖国防衛に対応することになった場合、緊急事態条項こそなくてはならない必須の制度である。

さて、憲法改正というとすぐに憲法9条改正の是非で反対派が大騒ぎをするが、この緊急事態条項は、憲法9条改正と同様、早急に憲法に規定すべき問題であると考える。幸い今年の春の新聞各社の世論調査では緊急事態条項を憲法に設けることの賛成意見が、反対意見を大きく上回っているので、今こそこの件だけでも憲法改正を早急に実現すべきである。

それでなくとも他国と比較して、地震、台風、突発的大豪雨等大自然災害の多い我が国が、それ程でもない国の殆どが憲法に有している緊急事態条項をなぜか日本がいまだに憲法に規定していないこと自体が異常ともいえる。
また国防上も、現在中国からの切迫した侵略の危機にある中で緊急事態条項がなくても平然としているように見えるのは正に論外としか言えない。
その根本的原因は、憲法9条と同じく、日本敗戦後、二度と日本が米欧に刃向かわないように日本を半人前の弱体国家にしておくためのGHQ統治政策にある

いずれ、時期は確定できなくても近い将来、近隣国からの侵略の危機のみならず、首都直下大震災や南海トラフ大震災の発生が確実視されている日本にとってこそ本来他国以上に迅速的確な祖国防衛や災害対策展開のため、緊急事態条項をべースとする強力な法体制の早期整備が不可欠といえる。

S・Y   

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