メデイアは処理水の海洋放水について正しく報道すべき

会員の主張・小論
岩手県本部 会員の主張・小論  令和3年3月16日

メデイアは処理水の海洋放水について正しく報道すべき

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 東京電力福島第一原発の敷地内に溜まり続けるトリチウムを含む水の処理について、政府は安全な基準まで水を処理して海洋に放出することを決定した。処理水に含まれているトリチウムは、体外に排泄されやすく、人体や生態系への環境に影響が出ないことが知られている。世界の原子力施設でもトリチウムを含む水は、同じように放出されてきた。日本政府は放出に当たっては、トリチウムの濃度を国が定める基準値の40分の1程度、世界保健機構(WHO)の飲料水水質ガイドラインの7分の1程度までに薄める予定とのこと。

宮城県の村井嘉浩知事は「国際基準よりはるかに高い基準をクリアして放出される。安全性については全く問題ないと思う」との認識を示した上で「安全と安心は別問題。漁業者への懸念をいかにして払拭していくかが重要だ。しっかりと政府に対応してほしい」と語った。

また、世界各国は自国の原子力施設から放射性物質トリチウムを、多くは海洋や大気中に放出している。

いずれも各国の規制基準に基づいた放出量で、経産省のデータによると、韓国は2016年に液体17兆ベクレル(ベクレルは放射能の強さや量を表す単位、以下略)、気体約119兆、計約136兆を放出。フランスは15年に1京3778兆、英国は15年に約1624兆、カナダは同年約485兆をそれぞれ放出した。(R3.3.14産経)

 ちなみに、福島第一原発の近くの海で測ったトリチウム濃度は1リットルあたり最大で21ベクレル、世界保健機構(WHO)は飲料水のトリチウム濃度を1リットル当たり1万ベクレル以下にするように提案していますが、それよりもはるかに十分に低い値です。そのリスクのレベルが他のリスクと比べてどの程度のものなのかを冷静に考えていくことが大切です。日本は世界の千分の21(0.0021)で世界基準では考えられない優良な水質で放出しているわけです。

(日本の放出量は事故前、平均年間約380兆)(電氣新聞)

私なりに思うには、村井宮城県知事が「メデイアの皆さん、騒ぎすぎではありませんか」と一声、発して欲しかったですね。 風評被害を防ぐというなら、まずメデイアが冷静な事実をだれにもわかりやすく報道することが大切なはず。こんなことを視聴率を上げるために利用されたら国民はたまらない。

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